北野邦雄さんが1952年に創刊した「写真工業」誌が、カメラ工業の専門誌としての使命を終え、2008年12月号をもって廃刊されました。岩瀬雄一社主が経営の中心となり、市川泰憲編集長のもと、桜井始さんなどの編集主幹を経て、約10名のスタッフでこれまで苦労され、「写真工学」の専門誌として電子写真をはじめ各領域を網羅し、他の定期刊行物に類をみない編集で写真界・写真工業界に異彩の独立した写真の理論誌として画像界の技術情報を提供してきました。神田神保町のこじんまりとしたビルで、これだけの業績を残されたのは、同スタッフのなみなみならぬ努力の成果でしょう。正月と盆の休暇を除き、毎日休まず、主張校正のときは午前様にもなって汗を流してこられた皆の成果とでももうしあげましょうか。朝10時から夜10時まで、編集に校正に取材に尽力された編集子の成果です。56年間のあいだ休刊することなく、暑い夏も冷房も充分でない編纂現場・出張校正で、誤字語植もなく立派な成果を後世に残せたことは、「写真界」の「変貌」も加わり、「写真工学」「レンズ設計」「カメラ設計」の「変貌」とともに、時代を劃すものでしょう。岩瀬さん市川さん本当に御苦労さまでした。