ウイスタ45SPは、トプコンホースマンがテクニカル・フィールドカメラ(リンホフ型テクニカルカメラ)から撤退した今、トヨ・フィールドや木製のタチハラなどを除き、日本製では、「リンホフ」に比肩できる実用本位の4X5の金属製テクニカルカメラです。欠点は、テレタイプの300mmまでは、延長レールも、延長蛇腹も不要ですが、400mm以上では、延長レール・延長蛇腹が必要です。そして、ニッコールは2年前から、フジノンは1年前から、「テレタイプ」の望遠レンズの生産を打ち切り、「テレタイプ」のレンズが、一般市場から消失し、中古品をさがさねばならなくなったことです。大型のジナータイプでは、テレタイプが不要ですが、ウイスタのように小型のフィールドタイプでは、「テレタイプ」が不可欠です。ですが、蛇腹が「袋蛇腹」に容易に交換でき、超広角レンズでは、「ウイスタ」の独壇場です。「リンホフ」ではできません。フィルム交換は、フィルムホルダーにフィルムを装てんするのですが慣れれば簡単です。でも、欠点として、間違った操作で、光線漏れを生じさせます。撮影するときにボディにしっかりセットしたつもりでも、手がホルダー部分に触れて、フィルムに光が入ることがあることもあります。でも、富士フィルムのクイックチェンジャーでは、ボディとクイックチェンジャーがウイスタのボディの爪としっかり「挟合」し、かつ、ホルダー内にフィルムを挿入した時点でフィルムの酸化が始まるものの、クリックチェンジャーでは、1枚1枚が封筒のなかに密封されているので、フィルムホルダーを使用せず、クィックチェンジャーを繋合させておけば、連写も容易で、「ウィスタ」と、「富士フィルム製の[クイックチェンジャーII]」とは相性がとても良く、フィルム代がホルダー式よりやや高くなるものの、クイックチェンジャの場合、光線引きの先のような事故の確率は極めて低く、「ウィスタ45SP」とでは操作性の適合度が極めて良いものです。「ウイスタ」の第1の長所は、あおりのレバー操作が、大きな丸ノブでワンタッチで微調整でき、広角系に抜群の操作性を有すること、第2は上記の「袋蛇腹」と「沈みボード」の組み合わせで、あおりの領域が格段に広がっている点です。高層建築の撮影には威力を発揮します。彫刻や美術品の撮影(添付画像参照)にも高性能を発揮します。三脚の使用のできない場合にはマミヤRZを使用しますが、三脚の使用できる場合、ウイスタ45SPを使用します。ギリシアの美術品もこうした機材で撮影可能です。ただ、「望遠」の場合、400mmのテレタイプまでは風景のフィールド撮影でこなせますが、それ以上は、残念ながら「ジナータイプ」の大型のモノレール式の大型機材を使用せざるを得ません。600mmまではテレタイプであれば、こなせますが、それ以上では無理です。ウイスタの長所を一瞥してきました。ホースマンも使用していましたが、テクニカル・フィールドタイプは製造停止になり、今や、ウイスタを主に、トヨフィールドくらいが金属製のテクニカルの日本製のカメラに残されているのみです。