ギリシャ支援1兆円 ユーロ圏、追加融資合意
2017年6月17日05時00分|朝日新聞デジタル
欧州連合(EU)のユーロ圏は15日、財務相会合を開き、ギリシャに85億ユーロ(約1兆500億円)の追加融資をすることで合意した。7月に72億ユーロの国債の償還期限を迎えるギリシャは当面の財政危機を免れたが、期待する債務の負担軽減策が持ち越され、財政健全化の見通しは立っていない。
「大きな進歩だ。ギリシャが自立できるように出口戦略の準備をしていく」。15日夜、5時間を超える会合を終えたデイセルブルーム議長は会見で強調した。
会合には、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も参加。IMFが金融支援の枠組みに参加することも決まった。ただ、正式な支援参加の条件として、ユーロ圏側がギリシャに持続可能な債務軽減策を示すことが必要としている。
ギリシャ発の金融危機はひとまず回避されたが、「自立」に向けては、支援側の考えに依然違いがあり、先行きは不透明だ。IMFは、ギリシャの財政健全化と経済成長には、債務のカットを含めた抜本的な対策が必要と主張。一方、最大の債権国ドイツは大幅な軽減策に消極的な姿勢だ。
(ブリュッセル=津阪直樹、ワシントン=五十嵐大介)