共謀罪審議:参院法務委で参考人質疑 識者が意見
毎日新聞2017年6月14日 00時00分(最終更新 6月14日 05時59分)
「共謀罪」の成立要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議を巡り、参院法務委員会では13日午前に2回目の参考人質疑があった。採決のスケジュールがささやかれる中、野党側が推薦した識者2人は懸念や反対の意見を展開した。
日本大の福田充教授(自民、公明推薦)は「現行法は限定的でテロ対策に有効ではなく、テロ等準備罪の導入には合理性がある」と法案に理解を示した。これに対し、山下幸夫弁護士(民進推薦)は「政府の活動に反対する団体の構成員や周辺者は捜査機関に日常的に監視されるようになる」、一橋大の村井敏邦名誉教授(共産推薦)は「行為がなければ処罰しないのが刑法の基本原則だ」などと批判した。
参考人質疑が終わると、議場は次第に採決に突き進む雰囲気が出てきた。午後の質疑は4時間を予定していたが、約半分が終わった時点で民進、共産両党が金田勝年法相の問責決議案を提出したため、散会した。
民進党の真山勇一筆頭理事は「金田法相は今日も答弁を法務省刑事局長に任せたり、つまったりしている」と問責決議案の理由を説明。他の野党議員や関係者らからも「審議時間は全然足りていない」などと、採決をけん制する声が上がった。一方、金田法相は「法案が重要であることを訴え続けたい」と話した。【鈴木一生、遠藤拓、島田信幸】