キーボードやIMEパッドから古典・現代ギリシャ語を入力する方法を紹介。
[現代]ギリシャ語キーボード配列
公式な説明はマイクロソフト社のサイトにあります(プルダウンメニューから[Greek Polytonic]を選択)。
•Microsoft: Global Software Development - Keyboard Layouts
http://www.microsoft.com/globaldev/keyboards/keyboards.asp
▼ 目次
•現代ギリシャ語
•古典ギリシャ語
◦入力の要領
◦記号が一つ
◦記号が複数(下書きのιなし)
◦記号が複数(下書きのιつき)
◦その他の字母
•IMEパッドから入力する: Windows98の場合など
現代ギリシャ語
Windows98でも上掲キーボードから入力できます。
•ローマ字転写と同じもの(+[Shift]で大文字に)
◦母音: A[α-Α], E[ε-Ε], I[ι-Ι], O[ο-Ο], Y[υ-Υ]
◦子音: B[β-Β], G[γ-Γ], D[δ-Δ], Z[ζ-Ζ], K[κ-Κ], L[λ-Λ], M[μ-Μ], N[ν-Ν], P[π-Π], R[ρ-Ρ], S[σ-Σ], T[τ-Τ]
•ローマ字転写と異なるもの(+[Shift]で大文字に)
◦母音: H[η-Η], V[ω-Ω]
◦子音: U[θ-Θ], J[ξ-Ξ], W[ς-Σ], F[φ-Φ], X[χ-Χ], C[ψ-Ψ]
•鋭アクセントつき母音(ά, έ, ί, ό, ή, ύ, ώ): [れ]を押してから、続けて母音を入力。
・分離記号つきϊ : Shiftキー押下+「れ」押下してから、続けて「ι」を入力。
・鋭アクセントつき且つ分離記号つきΐ : Altキー押下+「れ」押下してから、続けて「ι」を入力。
現代ギリシャ語デッドキー
古典ギリシャ語("monotonico法"導入以前の現代ギリシア語)入力規則
Windows98では、キーボードからは入力できません(参照: IMEパッドから入力する)。
WindowsXPでは、キーボードをギリシャ語[EL]に切り換えて入力します。下記以外は現代ギリシャ語と同じです。
入力の要領
•[右Alt]: [Ctrl]+[Alt]で代用できます(ノートパソコンなど[右Alt]が無い場合)。
•母音と記号を組み合わせる場合の要領。記号が多いときは「め・む・へ」、少なければ「た・「・@」。
◦鋭アクセント: [め]または[た]
◦重アクセント: [む]または[「(括弧)]
◦曲アクセント: [へ]または[@]
◦気息記号: そのままだと無気、[Shift]で有気
◦下書きのι: [右Alt]
•以下では、次のように記述しています。
◦[キー1]+[キー2]: [キー1]を押しながら[キー2]も押す。
◦[キー1]を押してから[キー2]: [キー1]を放してもよい。
記号が一つ
•長音記号(ᾱ, ῑ, ῡ): [ほ]を押してから母音
•短音記号(ᾰ, ῐ, ῠ): [Shiht]+ [ほ]を押してから母音
•分離記号のみ(ϊ, ϋ): [Shiht]+[れ]を押してから母音
•鋭アクセントのみ(ά, έ, ή, ί, ό, ύ, ώ): [れ]、または[た]を押してから母音
•重アクセントのみ(ὰ, ὲ, ὴ, ὶ, ὸ, ὺ, ὼ): [「(括弧)]を押してから母音
•曲アクセントのみ(ᾶ, ῆ, ῖ, ῦ, ῶ): [@]を押してから母音
•下書きのιのみ(ᾳ, ῃ, ῳ): [Shiht]+[@]を押してから母音
•無気記号のみ(ἀ, ἐ, ἠ, ἰ, ὀ, ὐ, ὠ): [け]を押してから母音
•有気記号のみ(ἁ, ἑ, ἡ, ἱ, ὁ, ὑ, ὡ, ῥ): [Shiht]+[け]を押してから母音やρ
記号が複数(下書きのιなし)
•鋭アクセントと分離記号(ΐ, ΰ): [Shiht]+[て]、または[右Alt]+[れ]を押してから母音
•鋭アクセントと無気記号(ἄ, ἔ, ἤ, ἴ, ὄ, ὔ, ὤ): [め]を押してから母音
•鋭アクセントと有気記号(ἅ, ἕ, ἥ, ἵ, ὅ, ὕ, ὥ): [Shiht]+[め]を押してから母音
•重アクセントと分離記号(ῒ, ῢ): [半角/全角]を押してから母音
•重アクセントと無気記号(ἂ, ἒ, ἢ, ἲ, ὂ, ὒ, ὢ): [む]を押してから母音
•重アクセントと有気記号(ἃ, ἓ, ἣ, ἳ, ὃ, ὓ, ὣ): [Shiht]+[む]を押してから母音
•曲アクセントと分離記号(ῗ, ῧ): [右Alt]+ [半角/全角]を押してから母音
•曲アクセントと無気記号(ἆ, ἦ, ἶ, ὖ, ὦ): [へ]を押してから母音
•曲アクセントと有気記号(ἇ, ἧ, ἷ, ὗ, ὧ): [Shiht]+[へ]を押してから母音
記号が複数(下書きのιつき)
•鋭アクセントとι(ᾴ, ῄ, ῴ): [右Alt]+[た]を押してから母音
•重アクセントとι(ᾲ, ῂ, ῲ): [右Alt]+[「(括弧)]を押してから母音
•曲アクセントとι(ᾷ, ῇ, ῷ): [右Alt]+[@]を押してから母音
•無気記号とι(ᾀ, ᾐ, ᾠ): [右Alt]+[け]を押してから母音
•有気記号とι(ᾁ, ᾑ, ᾡ): [右Alt]+ [Shiht]+[け]を押してから母音
•鋭アクセントと無気記号とι(ᾄ, ᾔ, ᾤ): [右Alt]+[め]を押してから母音
•鋭アクセントと有気記号とι(ᾅ, ᾕ, ᾥ): [右Alt]+[Shiht]+[め]を押してから母音
•重アクセントと無気記号とι(ᾂ, ᾒ, ᾢ): [右Alt]+[む]を押してから母音
•重アクセントと有気記号とι(ᾃ, ᾓ, ᾣ): [右Alt]+[Shiht]+[む]を押してから母音
•曲アクセントと無気記号とι(ᾆ, ᾖ, ᾦ): [右Alt]+[へ]を押してから母音
•曲アクセントと有気記号とι(ᾇ, ᾗ, ᾧ): [右Alt]+[Shiht]+[へ]を押してから母音
その他
•スティグマ(Ϛ): [右Alt]+[1]
•コッパ(Ϟ): [右Alt]+[2]
•サンピ(Ϡ): [右Alt]+[3]
IMEパッドから入力する
キーボードから入力できない場合は、IMEパッドを使います。
1.MS-IMEをオンにする: 日本語入力状態でギリシャ語を入力する。
2.IMEパッドの[文字一覧]を呼び出す:
文字一覧 ◦Windows98
1.MS-IMEツールバーのIMEパッドのアイコンをクリックする
2.アプレットメニューから[文字一覧]を選択する
◦WindowsXP
1.MS-IMEツールバーのIMEパッドのアイコンをクリックする
2.プルダウンメニューから[文字一覧]をクリック
3.文字一覧アプレットのプルダウンメニューから、[Unicode]順、[ギリシャ拡張]を選択する。
4.プルダウンメニューから、ギリシャ拡張を含むフォントを選択する。:
Aisa Unicode, Cardo, Arial Unicode MSなど
Polytonic ギリシャ語キーボードから入力の例(XP等)
Polytonic Greek:
Windows の「スクリーン キーボード」でも一応みることができますが、たりないところがあるみたいです。そこで、つぎにこの「ギリシャ語 Polytonic」のキーボード配列の図をしめして、多少説明をくわえたいとおもいます。
●そのまま
●Shift
●AltGr
●AltGr+Shift
●そのまま&スペースキー
●Shift&スペースキー
●AltGr&スペースキー
●AltGr+Shift&スペースキー
ギリシャ文字の配列は、ラテン文字(ローマ字)の配列がもとになっていて、おおくのばあい、大文字がおなじかたちのものか、古典語か現代語で発音がおなじものをあてはめています。[Shift]キーをつかって大文字を入力するのはラテン文字とおなじです。[Caps Lock]をつかっても大文字は入力できますが、いちばん上の段の文字(というか記号)は[Shift]をつかわないと入力できません。これもラテン文字のキーボードとおなじことです。
文字だけならはなしは簡単なのですが、古典ギリシャ語のばあい("monotonico法"導入以前の現代ギリシア語も)、文字にいろいろ記号がつくので、この入力にちょっと手間がかかります。こういう記号のキーはデッドキーになっていて、文字のまえに記号のキーをうって、そのあと文字のキーをうつと、記号つきの文字が入力できます。図ではこのデッドキーをモモ色でしめしています。
「そのまま」と[Shift]だけではわりあてがたりないので、[AltGr]キーもつかいます。[AltGr](Alternate Graphic)というのは右の[Alt]キーのことです。このキーがないばあいは[Ctrl]+左の[Alt]がかわりになります。左の[Alt]だけではこの役わりははたしません。
「そのまま」の上から2段目のいちばん左にあるのは古典語用(歴史的表記法)の鋭アクセント記号です。これに対して、3段目の右から3つ目は現代語のアクセント記号です(→「ギリシャ語フォントの鋭アクセント記号」)。このちがいは分離記号(¨)とのくみあわせにもあって、「そのまま」の1段目のいちばん左は古典語の鋭アクセント記号と分離記号のくみあわせ、[Shift]の2段目の左からふたつ目と[AltGr]の3段目の右から3つ目のキーは、現代語のアクセント記号と分離記号です。
「そのまま」の1段目の右からふたつ目の記号はながい母音をしめすもので、[Shift]のおなじ位置のものはみじかい母音の記号です。どちらも、辞書とか参考書とかでつかわれるもので、正式なつづりにはありません。
記号の配列についてすこし説明すると、気息記号は、「そのまま」だと無気記号、[Shift]をつかうと有気記号というふうになっています。下がきのイオータは、それだけがつくばあいは[Shift]のところにありますが、ほかの記号とのくみあわせのときは[AltGr]をつかうようになっています。したがって、下がきのイオータと有気記号のくみあわせは[AltGr]+[Shift]になります。
[AltGr]で、1段目の水色のキーの左3つには数字としてつかわれる文字がわりあてられています(→「アルファベット式ギリシャ数字」「ギリシャ語の文字と発音:Ϝ/Ϛ」「ギリシャ語の文字と発音:Ϙ/Ϟ/Ϟ」「ギリシャ語の文字と発音:Ϡ/Ϡ」)。アルファベット式のギリシャ数字には、この3つの文字が必要なのですが、ユニコードにはこの手のギリシャ数字用のアルファベットが変種をふくめて5文字あって、それぞれ大文字と小文字があることになっています。「ギリシャ語 Polytonic」のキーボードにわりあてられているのは大文字3つですが、ユニコードのわりあてとしては大文字でも、フォントによっては、とくに大文字ということになっていないものもあります。そういうフォントでは、たいてい数字用の文字が3文字か4文字あるだけで、大文字と小文字の区別もありません。
「&スペースキー」というのは、[Shift]や[AltGr]みたいに同時におすのではなくて、記号のキーをうったあとさらにスペースキーをうつことをしめしています。こうすることで、「&スペースキー」とした4つの図の水色のキーの記号が入力できます。黄色のキーの記号にはそのあとに半角スペースがつきます。
「そのまま&スペースキー」の3段目のいちばん右の記号は、フォントによって斜線だったり円の記号だったりします。これはギリシャ語フォントということではなくて、ラテン文字のばあいでもおなじです。