ユーロ圏財政相会合、ギリシャの次回融資は最終決定しない見通し
ロイター2012/11/12: 12:17JST
[ブリュッセル 12日 ロイター] 12日に開かれるユーロ圏財務相会合では、ギリシャへの次回融資は最終決定しない見通しだ。ギリシャの公的債務を持続可能な水準に維持する方法について合意に達していないためだが、財政目標達成期限の2年延長は決まる見込み。欧州連合(EU)高官が明らかにした。
ユーロ圏から315億ユーロの次回融資を受ける条件を満たすため、ギリシャ議会は8日未明に財政緊縮策を、11日には2013年の予算案を可決した。だが、ユーロ圏の財務相らはまだ最終決定を下す段階には至っていないという。
EU高官は9日、最終決定を下すにはさらに議論が必要となる可能性が非常に高いと述べた。12日の会合では、ギリシャが融資と引き換えに約束した緊縮プログラムが軌道に乗っているかを判断するため、ギリシャの改革に向けた取り組みの全てを検討する。
最終合意の鍵を握るのは、ギリシャの債務を持続可能な水準に戻す方法の分析。欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は、10日付のベルギー紙De Tijdに掲載されたインタビューで、現行政策の下ではギリシャの債務を2020年までに維持可能な水準に減らすことはできず、対国内総生産(GDP)比で140%を上回り、3月に合意した116.5%を達成することはできないとの見方を示した。
国際通貨基金(IMF)やECBなどで構成する国際支援機関(トロイカ)は2020年のギリシャの公的債務の水準の推定値や、その削減方法について合意できていない。高官によると、これら機関による推定値には10─20パーセントポイントの開きがあるという。
ギリシャが対GDP比4.5%の基礎的財政収支の黒字を達成する期限を2年先延ばしする必要があるという点では意見の一致を見ているが、最終的な決定は下されていない。高官によると、トロイカの報告や分析では、この延長を前提にしている。
また高官は、ユーロ圏の財務相らはギリシャの11月16日の短期債償還日を認識しているとし、「偶発的な」デフォルト(債務不履行)は発生しないとの見方を示した。ギリシャはこの短期債のロールオーバーを検討している。