ギリシャ:新政権、EU交渉に自信 「我々の主張、無視できぬ」
毎日新聞 2015年01月27日 東京朝刊
【アテネ坂井隆之】ギリシャ総選挙で圧勝した急進左派連合のニコラオス・ブーチス議員団長(63)は毎日新聞の取材に応じ、同党の躍進について「緊縮によって生じた国民生活の『危機』が後押しした」と分析。「反緊縮の流れは欧州全体で広がっている。欧州連合(EU)も我々の主張を無視できない」と、今後の交渉に自信を示した。
ブーチス氏はチプラス党首と同じ左派政党出身で、急進左派連合の重鎮。同氏は、「ユーロ圏を離脱することは考えていない」と改めて強調する一方、「万一離脱すれば、イタリアやスペインなどでも(ユーロ離脱の)政治的なドミノが起こる」と述べ、債務減免などの要求に対するユーロ圏側の譲歩に期待を示した。また、「ロシアや中国などBRICS(新興5カ国)とも関係を深め、幅広く資金を求める」と述べ、資金や経済面でユーロ圏への依存を低減する方針を示した。
経済政策についてはサマラス政権がEUや国際通貨基金(IMF)の監督下で進めてきた社会保障のカットなどの「構造改革路線」を抜本的に見直す方針を重ねて強調。「富裕層の税金逃れを取り締まって税収を上げ、軍事費も減らす。銀行の経営者を国が任命し、中小企業への無金利融資を行う」と政府主導での経済再建を進める考えを明らかにした。