2014衆院選:懸命の攻防、最後まで 475議席争い あす投開票
毎日新聞 2014年12月13日 東京朝刊
第47回衆院選は14日、投開票される。2012年末に就任した安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」や、約2年の政権運営の是非に対する有権者の審判が焦点だ。毎日新聞の情勢調査では自民党が優位な戦いを進め、「アベノミクスは失敗」と批判する民主党や維新の党などが追う展開になっている。各党は選挙戦最終日の13日、全国で議席の上積みを目指して「最後の訴え」に臨む。【松尾良】
衆院選は「1票の格差」是正のため、今回から小選挙区の「0増5減」が導入され、小選挙区が295、比例代表は180の計475議席を争う。候補者を擁立したのは9政党で、第三極の新党が相次いで設立された前回の12政党から減った。これに伴い、候補者は小選挙区959人、比例代表232人(重複立候補を除く)の計1191人と、前回の1504人を大きく下回った。14日に即日開票され、15日未明までに大勢が判明する見通しだ。
これまでの毎日新聞など報道各社の情勢調査では、自民、公明両党の好調が伝えられ、自民党単独で300議席超との予測もある。首相は13日は山梨、長野両県を遊説し、東京・秋葉原で最後の街頭演説に臨む。
一方、民主党は後半の選挙戦で、幹部の地元に首相らが応援に入るなど攻勢を受け、防戦に懸命だ。「自民1強」の再現を阻止するため、接戦の小選挙区の勝利や比例議席の上積みに全力を挙げている。海江田万里代表は13日、東京都内を遊説し、新宿駅前で「最後の訴え」を行う。
維新の党は、橋下徹共同代表(大阪市長)の地盤の大阪など近畿地方で巻き返しを期す。江田憲司共同代表は13日、地元・神奈川や都内を遊説し、比例票の掘り起こしを狙う構えだ。
躍進を狙う共産党や議席増を図る次世代の党、生活の党、社民党、新党改革も、それぞれ13日夜まで有権者に支持拡大を訴える。
ただ、民主党は今回、政権交代を目指していない。「解散の大義」を巡る論戦も高まらない中、投票率が過去最低だった前回(小選挙区で59・32%)を下回るとの見方も出ている。