ユーロ圏失業率11・8% 11月最悪更新 25歳未満24・4%
東京新聞電子版2013年1月9日 朝刊
【ベルリン=宮本隆彦】欧州連合(EU)統計局が八日に発表したユーロ圏十七カ国の二〇一二年十一月の失業率(季節調整済み)は11・8%で、前月から0・1ポイント悪化し、過去最悪を更新した。欧州債務(借金)危機による景気低迷で、南欧のギリシャやスペインでは求職する若者の半分以上に職がない状態が続いている。
国別では、欧州内の南北格差が顕著。財政再建のため公共事業の削減など緊縮策に取り組む南欧は、スペインが0・4ポイント悪化の26・6%、イタリアは横ばいの11・1%。ギリシャは最新の9月の統計で26%に達している。
対照的に輸出が好調なドイツは三カ月連続で5・4%となり、東西統一後の二十年余りで最低の水準を維持している。
ユーロ圏全体の失業者数は前月より十一万三千人増えて千八百八十二万人だった。
二十五歳未満の失業率は、ユーロ圏全体だと前月より0・2ポイント悪化の24・4%。スペインは56・5%、ギリシャは九月時点で57・6%と六割近い数値まで上昇している。
ユーロ圏の景気が持ち直すのは一三年の後半以降とみられ、失業率はさらに上昇する可能性が高い。