ギリシャ、国債償還乗り切る
2012.03.21 産経東京朝刊 11頁 経済面
【ローマ=共同】ギリシャは20日、大量の国債の償還日を迎えた。民間債権者による債務削減や、欧州連合(EU)などによる1300億ユーロ(約14兆円)の第2次支援を受けて、当初145億ユーロとされた償還を乗り切り、無秩序なデフォルト(債務不履行)に陥ることは回避した。ギリシャ首相府によると、20日の償還は民間債務削減により額面が約68億ユーロとなり、混乱なく終了したという。
しかし、4月後半か5月初めには議会の解散・総選挙が実施される見通しで、EUなどの支援と引き換えの財政緊縮策に否定的な左派勢力が勝利する可能性もある。年内に財政健全化のためのさらなる緊縮策が必要との見方も浮上しており、不安材料は消えていない。
地元紙などの最新の世論調査によると、パパデモス政権を支える二大与党、中道左派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)と、中道右派の新民主主義党(ND)の支持率は計36%で、左派3党が計39%と優位に立つ。
左派には無秩序なデフォルトを容認する政党もある。左派が勝利しても路線対立から連立を組むことはないとみられているが、EUなどの支援条件撤回で団結するとの観測もある。