緊縮ムードのXマス ギリシャ、貧困者支援も
2011.12.23 共同通信ほか
深刻な財政危機に陥っているギリシャでは増税や年金カット・不動産税の新規導入の影響を受けて、ことしの庶民のクリスマスは消費を抑える“緊縮ムード”。一方で増加傾向にある貧困層・不動産税が支払い不可能になり、その外公共料金も払えなくなり、電力公社から電気の配電停止を受けてい層等への支援活動が活発になっている。
現地からの報道によると、世論調査会社のアンケートで消費者の57%がことしはクリスマスのプレゼントの出費を減らすと回答。他の調査では、約60%がクリスマスのボーナスを家計の足しにするか貯金に回すと答えた。
アテネの商店街では、買い物袋を提げた人の姿は少なく、普段のクリスマスのお祝いムードはない。年配の人からは「怒りと窮乏が渦巻いていた第2次大戦のころのような雰囲気」との声が上がる。
財政危機によりギリシャ人の4人に1人が「新税」で経済的に困窮しているとの推計もある。
アテネでは20日、国際的に医療支援活動をする非政府組織(NGO)の呼び掛けで、市民が、持ち寄ったミルク缶を重ねてクリスマスツリーを作るイベントが行われた。ミルク缶や寄贈された食料は全国の恵まれない人たちに配布される。
またスーパーマーケットで買い物客がスパゲティやコメ、缶詰など1品を余分に買い求め、スーパー側が回収、これをギリシャ正教会が貧困層に提供するキャンペーンも行われている。